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2026/4/14
【アス町岩手】今野泰幸選手が学ぶ太子食品工業 十和田工場訪問レポート―「食の川上から川下まで」を体感し、地域企業の価値に触れる―

アス町が目指す学び
アス町岩手では、2025年11月に開催したサッカークリニックと連動し、「食の川上(生産)から川下(消費)まで」を一貫して捉える探究プログラムを実施しています。
本取り組みは第3回目となり、アスリート自身が地域企業の現場に足を運び、その価値を体感し、理解を深めていくことを目的としています。同時に、現場で生まれている取り組みや想いに触れることで、その価値が改めて言葉となり、外へと広がっていくきっかけとなることを目指しています。
生産された農産物がどのように加工され、品質管理を経て商品として社会に届けられているのか。また、安全性や安定供給、さらには“価値”として成立させるために、現場ではどのような工夫や判断が積み重ねられているのか。こうした一連の流れを実際の現場から学ぶことで、食を支える仕事の本質と、その責任について理解を深めていきます。
今回はその機会として、太子食品工業株式会社 十和田工場を訪問しました。
太子食品工業株式会社とは
太子食品工業株式会社は、1940年創業、青森県に本社を構える大豆加工食品メーカーです。豆腐や油揚げ、納豆といった、日本の食文化を支える製品を全国へ届け続けています。
訪問のはじめには、同社より企業説明をいただき、創業から現在に至るまでの歩みや、大豆を中心とした食品づくりへのこだわり、そして大切にしている理念についてお話を伺いました。
その中で特に印象的だったのは、「食を通じて人々の健康と豊かな暮らしに貢献する」という想いと、それを実現するために素材や製法に一切の妥協を許さない姿勢です。大豆や水といった自然の恵みを最大限に活かしながら、安全・安心を最優先とした製造体制を徹底していることが伝わってきました。
単に商品をつくるのではなく、「どのように価値を届けるか」までを見据えたものづくり。その考え方は、同社が単なる食品メーカーではなく、地域とともに価値を生み続ける存在であることを強く感じさせるものでした。

大豆から商品になるまでを体感
続いて、実際の製造現場へと足を運びました。工場内では、徹底された衛生管理のもとで製造が行われており、白衣・マスク・帽子の着用はもちろん、入室時の手順や動線、工程ごとのルールに至るまで細かく管理されています。
その一つひとつの取り組みの背景にあるのは、口に入るものを扱う責任です。日々当たり前のように手に取っている食品が、どれだけ慎重に、そして丁寧に扱われているのか。その現場を目の当たりにすることで、食品づくりの本質に触れる時間となりました。
見学では、大豆の加工からはじまり、豆腐、納豆、油揚げといった製造ラインを順に見ていきました。原料である大豆が、工程を経て商品へと変わっていく様子は非常に印象的であり、普段は見ることのない食の裏側を体感する機会となりました。


また、各工程ごとに出来立ての商品を試食させていただきました。製造されたばかりの味に触れることで、工程ごとの違いや素材の良さをよりダイレクトに感じることができ、どのようにつくられているか、どのように美味しさが生まれるかが結びつく体験となりました。
今野選手も現場を見ながら、「ここまで徹底されているとは思っていなかった。食べる側として安心できる理由が分かりました」と語り、普段とは異なる視点で食を捉えている様子が印象的でした。


見学の後半では、検品・箱詰めの工程にも触れ、今野選手が実際に納豆の箱詰め作業に挑戦しました。一定のスピードの中で正確に作業を行う難しさや、ミスが許されない現場の緊張感は、体験して初めて分かるものです。商品として世の中に届ける最後の工程において、品質を守る責任の重さを実感する場面となりました。

食を通じた対話の時間
その後、太子食品工業の皆様との交流の時間が設けられ、工場で製造されているおいなりさんや青森の食材をいただきながら、意見交換を行いました。見学を通じて感じたことや、食品づくりへの想いについて語り合う中で、現場で働く方々の考えや背景にある価値観に触れることができ、学びがさらに深まっていきます。
今野選手からは、アスリートとしての視点から日々の食事とコンディションの関係性についても話があり、食が身体をつくるだけでなく、パフォーマンスにも直結する重要な要素であることが共有されました。
工場見学から交流までを通じて、つくるだけでなく届けるまでを含めた食の価値を、多角的に捉える機会となりました。


今野泰幸選手の工場見学を終えて
今回が初めての工場見学となった今野選手。現場を通じて最も印象に残ったのは、徹底された衛生管理と、一つひとつの工程に込められた責任でした。
「ここまで徹底されているとは思っていなかった。実際に作っている現場や、関わっている人たちを知ることで、食べることのありがたさを改めて感じました」と語り、日常の中で当たり前になっている“食”の背景にある価値に目を向けていました。
さらに、「歴史や理念を知った上で商品を見ると、見え方や感じ方がまったく変わる」と話し、“つくり手を知ること”が価値の捉え方を変えることを実感している様子が印象的でした。
また、「スポーツも同じで、見えないところの積み重ねが結果につながる。この工場もまさにそうだと感じました」と語るように、日々の積み重ねが品質を支えている現場の在り方に、アスリートとしての共通点を見出していました。
試食の場面では、「シンプルだけど、しっかり美味しい。だからこそ、素材や工程へのこだわりが重要なんだと実感しました」と述べ、体験を通じた理解を言葉にしていました。
今回の訪問を通じて見えてきたのは、商品そのものだけではなく、その背景にある人や想い、そして積み重ねられてきた時間の価値です。
太子食品工業の十和田工場には、長年培われてきた技術と、食に対する真摯な姿勢がありました。アス町は今後も、地域企業とアスリートをつなぎながら、こうした価値を体感し、言葉として伝え、価値創出へとつながる機会を創出していきます。

【運営協力】
太子食品工業株式会社 https://www.taishi-food.co.jp/ja
1940年の創業以来、北東北を拠点に豆腐・納豆等の大豆製品の生産を手掛ける食品メーカーである。十和田工場・雫石工場・古川清水工場・白石蔵王工場・日光工場が主力工場になり、近年は南東北・関東への販売を強化。「伝統の味に独自の技術で挑む」こだわりのもと、業界初の技術で消費者に大豆製品を提供している。
株式会社相庄 https://www.i-show.co.jp/
創業160年を迎えた食品加工原材料の専門商社。岩手県内を中心とした食品メーカーの商品開発のプランニングや、食品製造現場の衛生管理のプランニングを通じて、より良い食品づくりに貢献する縁の下の力持ち的な存在です。この地域を持続可能なものにするために、一次産業における取り組みや、岩手県産の食品を輸出するプロジェクトを展開し、地域商社としての取り組みを拡大している。
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